
「水稲にはどんな肥料を使えばいいのか」「元肥や追肥はいつ、どれくらい施せばいいのか」と迷うことはないでしょうか。
水稲の肥料には、元肥・追肥・穂肥・実肥、一発肥料などがあり、使う時期や目的がそれぞれ異なります。また、同じ品種でも、土壌の地力や生育状況、その年の気象によって必要な施肥量は変わります。
そのため、水稲の肥料選びでは、単に「おすすめの商品」を探すのではなく、今の稲に何が必要なのかを見極めて、「いつ・何を・どれだけ・どう施すか」を決めることが重要です。
この記事では、水稲に必要な肥料成分やN-P-K表示の見方から、元肥・追肥・穂肥・実肥の時期、肥料の種類、施肥方法、施肥量の決め方、生育途中の調整方法、肥料の選び方まで順に解説します。
水稲の肥料の基本|必要な成分と施肥の考え方
水稲の生育には、窒素(N)・リン酸(P)・カリ(K)を中心に、ケイ酸や苦土(マグネシウム)などの養分が必要です。
施肥では、肥料を多く入れることではなく、土壌から供給される養分も含めて不足分を補うことが基本です。必要な量は品種、土壌、地力、前作、有機物の施用状況などによって変わるため、具体的な施肥量は地域の施肥基準を起点に調整します。
窒素・リン酸・カリの役割
窒素(N)は、茎葉の生育や分げつ、穂の形成を支える成分です。水稲の生育や収量を支える一方、窒素が多すぎると過繁茂や倒伏、食味低下につながることがあります。
リン酸(P)は根や初期生育、穂の形成を支えます。カリ(K)は根や稲体の健全な生育、登熟を支える成分です。
リン酸やカリも、土壌中に十分蓄積している場合と不足している場合では必要な施肥量が異なります。土壌にある養分を把握し、不足分を補う考え方が重要です。
ケイ酸・苦土などの役割
水稲では、N・P・Kだけでなくケイ酸や苦土も重要です。
ケイ酸は稈を丈夫にし、耐倒伏性などを支えます。苦土(Mg)は葉緑素の構成成分として光合成を支える成分です。
ただし、ケイ酸質資材なども毎年一律に施すのではなく、土壌条件や栽培上の課題に合わせて利用します。
肥料袋のN-P-K表示はどう見る?
肥料を選ぶときは、袋に表示されている成分量を確認します。
たとえば「14-14-14」と表示されている化成肥料では、一般的に窒素・リン酸・カリの保証成分量がそれぞれ14%であることを示します。
同じ「水稲用肥料」でも、N-P-Kの配合割合は製品によって異なります。初期生育を重視したいのか、窒素を追加したいのか、リン酸やカリも含めて補いたいのかによって適した肥料は変わるため、商品名だけでなく成分表示を見ることが大切です。
必要な成分量から、実際に施す肥料の量を計算する方法は後ほど解説します。
水稲の施肥時期を生育ステージ別に整理

水稲の施肥は、生育ステージに沿って整理すると、「いつ、何のために施すのか」を理解しやすくなります。
育苗期は健全な苗を育てるための肥料、田植え前は初期生育を支える元肥、活着後は必要に応じた追肥、幼穂形成期は穂肥、出穂後は実肥など、それぞれ目的が異なります。
実際の施肥時期や量は、品種、地域、地力、生育状況によって異なります。ここでは各時期の役割を整理し、追肥や穂肥を実際に行うかどうかの判断は後段で解説します。
育苗期の肥料
育苗期は、田植え後の活着につながる健全な苗を育てる時期です。培土に含まれる肥料や育苗用肥料を利用しながら生育を整えます。
苗の生育には肥料だけでなく、温度、水分、光なども影響します。徒長や生育不良が見られる場合は、肥料だけでなく育苗環境全体を確認します。
田植え前の元肥・基肥
田植え前に施す肥料を元肥または基肥と呼びます。元肥は、田植え後の活着や初期生育、その後の分げつを支える施肥です。
地力の高い圃場で窒素を多く施すと生育が過剰になることがあるため、地域の施肥基準を基本に、土壌条件や前年の生育も踏まえて量を調整します。
活着〜分げつ期の追肥・つなぎ肥
基肥だけでは養分が不足すると判断した場合、分げつ期に追肥を行うことがあります。目的は、収量につながる有効茎を適切に確保することです。
一方、すでに茎数が十分に確保され、葉色も濃い状態で窒素を追加すると過繁茂につながります。追肥の必要性は、葉色や茎数などを見ながら判断します。
幼穂形成期の穂肥
幼穂が形成される時期に施す追肥を「穂肥」と呼びます。穂や籾の形成、その後の登熟を支える重要な施肥です。
ただし、施用時期が早すぎたり窒素量が多すぎたりすると、稲が伸びすぎて倒伏しやすくなります。そのため、穂肥は暦日だけでなく、幼穂の発育や葉色、生育量を確認して判断します。
出穂〜登熟期の実肥
出穂後から登熟期に施す追肥は「実肥」と呼ばれることがあります。稲体の栄養状態を維持し、登熟を支える目的がありますが、すべての圃場で必要になるわけではありません。
生育後半の窒素過多は玄米のタンパク質含量を高め、食味に影響します。葉色や気象条件、品種、目標とする収量・品質から必要性を判断します。
水稲で使われる主な肥料・資材

水稲では、目的や施肥時期に応じてさまざまな肥料・資材を使い分けます。ここでは主な種類と特徴を整理します。
化成肥料
化成肥料は、窒素・リン酸・カリなどの成分量が明確で、施肥設計を組み立てやすい肥料です。
元肥から追肥まで幅広く使われますが、製品ごとにN-P-Kの配合割合や肥効が異なります。必要な養分と施肥時期に合ったものを選びます。
緩効性・肥効調節型肥料
緩効性・肥効調節型肥料は、養分を一定期間かけて供給する肥料です。水稲の一発肥料にも利用され、追肥回数の削減や省力化につながります。
ただし、肥効期間や養分の溶出特性は製品によって異なります。また、肥効調節型肥料には被覆肥料もあり、被膜殻の圃場外への流出が課題となっているため、製品の特徴や地域の方針も確認して使用します。
有機質肥料
有機質肥料は、油かすや魚かすなど、動植物由来の有機物を原料とする肥料です。土壌中で分解されてから養分が利用されるものが多く、化成肥料とは肥効の現れ方が異なります。
有機質肥料にも窒素やリン酸などが含まれます。そのため、有機質肥料を施したうえで化成肥料を使用する場合は、有機質肥料から供給される養分も含めて施肥量を考える必要があります。
米ぬかなどの有機物が水田に利用されることもありますが、目的や施用方法によって土壌や水稲への影響が異なるため、「有機物だから多く入れてよい」とは考えないようにします。
液肥
液肥は、液状の肥料です。水口から水と一緒に流し込む方法などに利用でき、追肥作業の省力化につながる場合があります。
成分濃度や使用量は製品ごとに異なるため、使用方法を確認して施用します。
ケイ酸質肥料・土づくり資材
水稲ではケイ酸質資材も利用されます。ケイ酸は稈を丈夫にし、耐倒伏性などを支える成分です。
ただし、毎年一律に施すのではなく、土壌条件や栽培上の課題に合わせて利用します。
水稲の主な施肥方法
水稲の施肥では、「どの肥料を使うか」だけでなく、いつ、どこに、どのように施すかも重要です。
代表的な施肥方法には、元肥と追肥に分ける分施、一発肥料を使った省力施肥、全層施肥や側条施肥、液肥を利用した流し込み施肥などがあります。圃場条件や作業体系、使用する機械も含めて選びます。

元肥と追肥に分ける「分施」
分施では、田植え前に元肥を施し、その後の生育に合わせて追肥します。
メリットは、その年の生育状況を見ながら施肥量を調整できることです。葉色や茎数を確認し、追肥が必要か判断できます。一方で、追肥作業が必要になるため、一発肥料と比べて作業回数は増えます。
一発肥料を使った省力施肥
水稲では、速効性成分と肥効調節型の成分などを組み合わせ、生育期間中の養分供給を考えて設計された一発肥料が使われています。追肥回数を減らせるため、施肥作業の省力化につながります。
ただし、製品によって肥効期間や養分の溶出特性が異なるため、品種や作期、地域の気象条件に合った肥料を選びます。
また、一発肥料を使っても生育確認は必要です。肥効調節型肥料の養分放出は温度などの影響を受けるため、高温年などには想定より早く肥効が進み、生育後半に養分が不足する場合があります。
「一発肥料=収穫まで何もしなくてよい肥料」ではなく、施肥作業を省力化するための方法と考えます。
全層施肥と側条施肥
元肥の施し方には、肥料を作土全体に混ぜる「全層施肥」と、田植え時に苗の近くへ肥料を施す「側条施肥」などがあります。
全層施肥では、耕起や代かきの際に肥料を土壌全体へ混和します。側条施肥は田植えと同時に苗の側方へ肥料を施す方法で、根の近くへ肥料を配置できます。
側条施肥は施肥作業と田植えを同時に行えるため、省力化にもつながります。ただし、使用できる肥料や施肥量、田植機などの設備条件を確認する必要があります。
流し込み施肥・ペースト施肥など
追肥を省力化する方法として、液肥などを水口から灌漑水とともに施す「流し込み施肥」があります。圃場内を歩いて肥料を散布する必要がなく、大面積の水田では作業負担を減らせます。
また、田植え時にペースト状の肥料を苗の側方へ施す方法なども利用されています。施肥方法によって必要な機械や肥料の種類が異なるため、圃場条件や作業体系まで含めて選択することが重要です。
水稲の施肥量はどう決める?
水稲の施肥量は、地域や品種ごとの施肥基準をそのまま一律に使うのではなく、土壌・地力、前年の生育、前作や有機物の施用状況、目標とする収量・品質などを踏まえて調整します。
必要な成分量が決まったら、使用する肥料の成分割合から実際の施用量へ換算します。
ここでは栽培開始時点の施肥設計を中心に整理します。その年の葉色や茎数、幼穂を見ながら追肥・穂肥を調整する方法は、次の章で解説します。

地域・品種ごとの施肥基準を出発点にする
まず基準になるのが、都道府県やJAなどが示している施肥基準です。同じ水稲でも、品種や地域によって標準的な窒素・リン酸・カリの施肥量や穂肥時期が異なります。
最初から独自の施肥量を決めるのではなく、地域や品種に合った施肥基準を出発点にします。
土壌・地力に合わせて施肥量を補正する
水田では、施した肥料だけでなく、土壌からも窒素などの養分が供給されます。
地力の高い圃場で標準量をそのまま施すと窒素過多になる場合がある一方、地力が低い圃場では養分が不足しやすくなります。リン酸やカリも、土壌中に十分蓄積している場合は減肥できることがあります。
土壌診断を活用し、圃場にすでにある養分を把握したうえで施肥量を調整することが重要です。
前年の生育・前作・有機物施用を確認する
前年の稲が過繁茂だった、倒伏した、葉色が濃かったといった場合は、窒素供給が多すぎなかったかを振り返ります。
反対に、生育量が不足していた場合は、地力や施肥量だけでなく、水管理や根の状態なども確認します。
また、堆肥や有機質肥料、稲わらなどから供給される養分も施肥設計に含めます。
目標とする収量・品質を踏まえて調整する
施肥設計では、目標とする収量・品質も確認します。
収量を確保するためには生育に必要な養分を不足させないことが重要ですが、一方で、生育後半に窒素が多すぎると玄米のタンパク質含量が高まり、食味に影響します。
そのため、単に肥料を増やして収量を求めるのではなく、品種や圃場条件を踏まえながら、目標とする収量と品質の両方を意識して施肥量を考えます。
その年の生育状況も踏まえて施肥量を調整する
施肥基準や土壌、前年の生育をもとに施肥設計を立てても、その年の気温や天候、生育の進み方によって稲の状態は変わります。そのため、当初の設計をそのまま固定するのではなく、実際の生育状況を確認しながら施肥量を調整することが重要です。
ただし、追肥や穂肥を具体的に判断するときの「葉色・茎数・草丈・幼穂の発育」の見方については、このあとに詳しく解説します。
必要な成分量から実際の肥料量を計算する
地域の施肥基準などから必要な成分量が決まったら、肥料の成分表示を使って実際に施す製品量を計算できます。
たとえば、仮に窒素を10a当たり4kg施す設計で、窒素10%の肥料を使用する場合は、
4kg ÷ 0.10 = 40kg
となり、肥料40kgに窒素4kgが含まれる計算です。
これはあくまで計算方法の例であり、窒素4kg/10aがすべての水田に適しているという意味ではありません。
必要成分量を先に決め、そのあと製品量へ換算するという順序で考えます。
追肥・穂肥は水稲の生育を見ながら調整する
作付け前に施肥設計を立てても、その年の稲が計画どおりに生育するとは限りません。
追肥や穂肥では、葉色、茎数、草丈、幼穂の発育などを確認し、追加施肥が必要かを判断します。基準量を機械的に施すのではなく、実際の生育を見ながら調整することが重要です。
葉色から窒素栄養状態を確認する
葉色は、水稲の窒素栄養状態を見る代表的な指標です。
葉色板(カラースケール)などを利用し、品種や生育ステージごとの基準と比較して追肥判断に活用します。
葉色が濃い状態で機械的に窒素を追加すると、過繁茂や倒伏につながることがあります。葉色は単独で見るのではなく、茎数や草丈などの生育量も合わせて確認します。
茎数・草丈から生育量を確認する
分げつ期の追肥では、必要な茎数が確保できているかを確認します。
茎数が不足している場合と、すでに十分な茎数があり過繁茂になっている場合では、追加施肥の判断は異なります。草丈も合わせて確認し、稲全体の生育量を見ます。
肥料不足だけでなく、水管理や根の状態などによって生育が悪くなることもあるため、生育量が少ないからといって肥料だけで解決しようとしないことが大切です。
幼穂の発育から穂肥時期を判断する
穂肥は、暦日だけではなく幼穂の発育を確認して施用時期を判断します。
幼穂形成期には、幼穂の発育状況に加えて葉色や生育量も確認します。施用時期が早すぎたり窒素量が多すぎたりすると倒伏しやすくなるため、生育を見ながら判断します。
気象・水管理も合わせて確認する
肥料の効き方や稲の生育は、その年の気温や水管理にも左右されます。
高温年には、一発肥料の肥効が想定とずれたり、登熟期に稲体の栄養状態が低下したりすることがあります。また、水管理は根の働きや養分吸収にも関係します。
施肥は、土壌、肥料、生育、水管理、気象を切り離して考えず、組み合わせて判断することが重要です。
水稲の肥料はどう選ぶ?
水稲の肥料選びでは、「どの商品がおすすめか」を先に考えるのではなく、施肥設計の結果を受けて、その肥料が必要な役割を果たせるかを確認します。
見るポイントは、必要な肥料成分、肥効の速さや持続期間、施肥時期、施肥方法・作業体系です。
必要な肥料成分から選ぶ
まず、不足している成分を確認します。
窒素を補いたいのか、リン酸やカリも含めて補うのかによって適した肥料は異なります。肥料袋のN-P-K表示を確認し、商品名ではなく必要な成分から選びます。
肥効の速さ・持続期間から選ぶ
同じ成分を含む肥料でも、肥効の現れ方や持続期間は異なります。
追肥のように追加するタイミングと、緩効性・肥効調節型肥料を利用して一定期間養分を供給する場合では、求める肥効が異なります。製品ごとの肥効期間や養分の溶出特性を確認します。
施肥する時期から選ぶ
元肥、分げつ期の追肥、穂肥など、生育ステージによって施肥の目的は異なります。
今の時期に何を補いたいのかを明確にし、その目的に合った成分や肥効を持つ肥料を選びます。
施肥方法・作業体系から選ぶ
採用する施肥方法によって、使用できる肥料や必要な機械も変わります。
元肥と追肥に分けるのか、一発肥料で省力化するのか、側条施肥を行うのか、液肥を使って流し込み施肥をするのかなど、圃場条件と作業体系まで含めて選びます。
目的・悩み別に水稲の肥料・施肥を考える
ここまでの判断を、現場で起こりやすい目的や悩み別に整理します。
肥料だけで解決できない課題もあるため、肥料で見るポイントと、土壌・水管理・生育など肥料以外の条件を合わせて確認します。
初期生育・分げつを確保したい
初期生育や分げつが不足しているときは、元肥や追肥だけでなく、活着、根の状態、水管理も確認します。
分げつ期に追肥する場合も、現在の茎数や葉色を見て、本当に追加施肥が必要かを判断します。
倒伏を防ぎたい
倒伏を防ぐためには、窒素を多く施しすぎないことが重要です。
特に穂肥では、施用時期や窒素量に注意し、葉色、生育量、幼穂の発育を確認します。必要に応じてケイ酸質資材の利用も検討します。
収量を確保したい
収量を確保するためには、生育に必要な養分を不足させないことが重要です。
一方で、必要以上に肥料を増やせばよいわけではありません。地域・品種ごとの施肥基準を出発点に、土壌・地力や前年の生育、その年の葉色や茎数を確認しながら調整します。
食味・品質を高めたい
食味・品質を考える場合は、生育後半の窒素過多に注意します。
実肥などはすべての圃場で必要になるわけではなく、葉色や気象条件、品種、目標とする収量・品質を踏まえて判断します。
高温年に品質を維持したい
高温年は、肥料だけでなく生育診断や水管理も合わせて考えます。
一発肥料では温度などの影響によって肥効が想定とずれる場合があり、生育後半の栄養状態も確認する必要があります。葉色や生育状況を見ながら、必要な対応を検討します。
施肥作業を省力化したい
施肥作業を減らしたい場合は、一発肥料、側条施肥、流し込み施肥などが選択肢になります。
ただし、省力化できる方法でも、生育確認まで不要になるわけではありません。品種や作期、圃場条件、使用できる機械や肥料の種類を確認して選びます。
水稲の施肥で注意しておきたいこと

水稲の施肥では、決めた量を機械的に施すのではなく、圃場条件と生育を確認しながら調整することが重要です。最後に、施肥で避けたい代表的な考え方を整理します。
窒素を多く施しすぎる
窒素は生育や収量を支える重要な成分ですが、多すぎると過繁茂や倒伏、食味低下につながります。
「生育を良くしたいから多めに施す」と考えず、施肥基準、地力、生育状況を確認して必要量を判断します。
毎年同じ施肥量を機械的に使う
同じ圃場でも、その年の生育や気象条件は毎年同じではありません。
地域の施肥基準を土台にしながら、前年の生育、土壌・地力、有機物の施用状況、その年の生育を確認して調整します。
生育を確認せずに追肥する
追肥や穂肥は、予定した日になったから機械的に施すものではありません。
葉色、茎数、草丈、幼穂の発育などを確認し、追加施肥が必要かを判断します。すでに葉色が濃く、生育量が十分な場合に窒素を追加すると過繁茂につながることがあります。
肥料だけで生育不良を解決しようとする
水稲の生育は、肥料だけで決まるものではありません。
温度、水分、水管理、根の状態なども生育や養分吸収に関係します。生育が悪いときにすぐ肥料不足と決めつけず、圃場と稲の状態を確認します。
まとめ|水稲の肥料は圃場と生育を見ながら設計する
水稲の施肥では、肥料の商品名から選ぶのではなく、生育ステージ、圃場条件、生育状況から必要な養分を判断することが基本です。
まず地域や品種ごとの施肥基準を確認し、土壌・地力、前年の生育、有機物の施用状況、目標とする収量・品質を踏まえて施肥量を設計します。
そのうえで、必要な成分、肥効、施肥時期、施肥方法を考え、元肥・追肥・一発肥料などを使い分けます。生育途中では、葉色、茎数、草丈、幼穂の発育を確認し、その年の状態に合わせて追肥や穂肥を調整します。
また、肥料は水管理や根の状態とも関係します。「何を施すか」だけでなく、「どれだけ・いつ・どう施し、稲が吸収できる状態か」まで考えることが、収量と品質を安定させる施肥設計につながります。
追肥やケイ酸、食味、高温障害などについては、別の記事で詳しく解説しています。ご自身の圃場の課題に合わせて、ぜひ参考にしてください。








