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米を守る!高温障害対策で収量と品質をアップさせる方法

地球温暖化が進行する中、農業現場で特に深刻な影響を及ぼしているのが「高温障害」です。稲作では、気温が異常に高い日が続くことで、登熟期の籾が十分に実らず、未熟粒や白濁米が増加します。

結果として、収穫量が減少するだけでなく、炊いた米の味や粘りが悪化し、市場価値が著しく低下します。特にブランド米を生産する農家にとって、これは直接的な経済的損失につながる深刻な問題です。

例えば、近年の日本では夏の猛暑が続き、九州地方や東北地方の一部で収穫量が例年より20%以上減少した事例も報告されています。一方で、遮光ネットの導入や高温耐性品種の活用といった対策を講じた農家では、品質と収量を維持することに成功しています。

本記事では、高温障害の具体的な症状や発生メカニズムを解説するだけでなく、実際の成功事例をもとにした対策方法を詳しく紹介します。高温障害を防ぎ、米の品質と収量を守るために、今すぐできる具体的な行動を見つけましょう。この記事を読むことで、あなたの稲作に役立つヒントがきっと見つかります!

高温障害とは?

高温障害とは、近年の地球温暖化の影響を受け、稲作をはじめとする多くの農作物に深刻な被害をもたらす問題です。

特に米作りにおいては、夏場の異常高温によって収穫量が大幅に減少し、品質の低下が避けられないケースが増えています。これにより、農家の収益が減少するだけでなく、消費者にとっても米の価格上昇や品質の悪化といった形で影響が及びます。

例えば、2020年の日本では、全国的な猛暑により東北や関東の一部地域で米の品質低下が問題となりました。

通常であれば1等米として取引されるはずの米が、高温障害によって等級を下げられ、市場価値が落ちてしまったのです。こうした状況は今後ますます深刻化すると考えられ、農家にとっては避けて通れない課題となっています。

高温障害の基本的な定義

高温障害とは、作物が異常な高温環境にさらされることで正常な生育が妨げられ、収穫量や品質の低下を引き起こす現象を指します。

特に稲作では、開花期や登熟期に高温が続くと、受粉がうまくいかず籾(もみ)の充実が阻害されることがあります。この状態を「高温障害籾」と呼び、収穫時には未熟粒や白濁した米粒が増えてしまうのです。

高温障害が発生しやすい時期と条件

高温障害は特に開花期(7月〜8月)と登熟期(8月〜9月)に発生しやすく、この期間に最高気温が33℃を超える日が続くと、収穫に大きな影響を与えるリスクが高まります。

また、夜間の気温が25℃以上(熱帯夜)の日が続く場合も、稲が十分に休息できず、養分の蓄積が不十分になるため、品質の低下につながります。

例えば、ある研究によると、登熟期に35℃を超える日が10日以上続いた場合、1等米の比率が通常の50%以下にまで低下したという報告があります。

つまり、高温障害によって農家が販売できる良質な米が激減し、大幅な収益減少につながるのです

高温障害が米に及ぼす具体的な影響

①収穫量の減少

高温障害の影響で稲の登熟が不十分になると、穂の中の籾が未熟なままとなり、収穫量が通常より10〜30%減少するケースが報告されています。特に、登熟期の気温が35℃を超えると、米の粒が十分に肥大せず、全体の収穫量が大幅に低下します。

②品質の低下(未熟粒・白濁米・胴割れ米)

高温障害による品質低下の主な要因として、以下のような現象が挙げられます。

未熟粒の増加

高温環境では米のデンプン生成が不十分になり、籾が十分に充実しない未熟粒が増加します。このような米は炊飯時に水分を適切に吸収できず、パサパサした食感になってしまいます。

白濁米(乳白米)の発生

登熟期の高温によって米粒の内部構造が変化し、白く濁った米(乳白米)が増加します。これにより、見た目の品質が落ちるだけでなく、食味や粘り気も低下し、市場価値が著しく下がります。

胴割れ米の増加

高温環境下では、収穫後の乾燥工程でも問題が発生します。特に急激な乾燥が行われると、米粒が割れる「胴割れ米」の発生率が高まります。この米は炊飯時に水分を吸収しすぎて崩れやすくなり、食感が悪化します。

③市場価値の低下と農家の経済的損失

高温障害が原因で品質の低い米が増えると、1等米として流通する割合が減少し、2等米や3等米として販売されることになります。これにより、農家の収益は大幅に低下し、経営の安定性にも影響を与えます。

例えば、2022年のある調査では、高温障害が発生した地域では1俵あたりの販売価格が通常より10〜20%低下したことが報告されています。このような状況が続けば、農業経営の持続性も脅かされることになります。

※他の作物への影響(参考情報)

稲以外の作物にも高温障害が発生します。例えば、トマトでは果実が割れる「裂果」や、着色不良が生じます。また、葉菜類では葉が焼けたり萎れる症状が見られます。これらの情報は、稲作以外の農業にも適用できる対策を考える際に役立つでしょう。

高温障害の発生原因を徹底解説

高温障害が発生する原因を理解することで、より効果的な対策を講じることができます。

高温障害は単に「気温が高いから起こる」という単純なものではなく、日照条件、湿度、風通し、土壌の状態、栄養バランスなど、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。

本章では、高温障害の発生メカニズムと、それに影響を及ぼす環境条件について詳しく解説します。

高温が引き起こすメカニズム

高温障害の主な原因は、気温の急上昇や長時間の高温が稲の生理機能を狂わせることにあります。特に以下のような現象が発生し、稲の成長や米の品質に悪影響を及ぼします。

①光合成の低下とエネルギー不足

稲は日光を受けて光合成を行い、養分を作り出します。しかし、高温環境では気孔(きこう)を閉じて水分蒸発を抑えようとするため、二酸化炭素の取り込みが減少し、光合成の効率が低下します。その結果、稲が成長するためのエネルギーが不足し、穂の充実が不完全になります。

②呼吸量の増加による養分の消費

気温が高くなると、稲は体温を維持するために呼吸量を増やします。その際、体内に蓄積した養分をエネルギーとして消費するため、穂や籾に十分な栄養が行き渡らなくなります。特に登熟期にこの現象が発生すると、未熟粒や白濁米の割合が増え、米の品質が低下します。

③水田の水温上昇による根の機能低下

水田は通常、稲の根を冷却する役割を果たしています。しかし、水温が30℃を超えると根が機能不全を起こし、養分や水分の吸収が困難になります。これにより、稲全体の健康状態が悪化し、高温障害の症状がより顕著に現れることになります。

高温障害を助長する環境条件

高温障害は単に気温が高いことだけでなく、周囲の環境によって発生リスクが高まります。特に以下のような条件が揃うと、高温障害が発生しやすくなります。

①昼夜の気温差が小さい(熱帯夜)

稲は夜間の涼しい気温の中で呼吸を整え、日中に受けたダメージを修復します。しかし、夜間の気温が25℃以上(熱帯夜)の日が続くと、稲が休息できず、消耗が激しくなります。これにより、登熟が正常に進まず、未熟粒や白濁米が増加します。

②強すぎる日照と乾燥

稲は適度な日光を必要としますが、強い日差しが続くと水田の水温が急上昇し、根がダメージを受けやすくなります。また、乾燥した気候では土壌の水分が蒸発しやすく、稲が十分な水を吸収できずに萎れやすくなります。

③風通しの悪い水田

風通しが悪いと水田内の湿度が過剰になり、病害虫が発生しやすくなります。例えば、高温多湿な環境では稲熱病やウンカの被害が拡大し、稲全体が弱りやすくなります。その結果、高温障害と併発し、収穫量や品質がさらに低下する危険性が高まります。

④栄養バランスの偏り

窒素肥料を過剰に施すと、稲が過剰に成長して葉が茂りすぎ、蒸散がスムーズに行われなくなります。これにより、葉が高温ストレスを受けやすくなり、高温障害のリスクが高まります。適切な施肥管理が求められます。

高温障害を防ぐ方法

高温障害を防ぐには、単に気温を下げる工夫をするだけではなく、稲の品種選びや水管理、肥料の最適化など、総合的な対策を講じることが重要です。本章では、最新の研究や農業現場での成功事例をもとに、効果的な予防策を紹介します。

1.高温に強い品種の選定

近年、地球温暖化の影響で夏の気温が上昇し続ける中、高温耐性を持つ稲の品種が開発されています。従来の品種では、高温環境下で登熟不良が起きやすく、未熟粒や白濁米の増加、収量の低下が問題視されていました。しかし、農研機構や各地の試験場での研究により、以下のような高温耐性品種が開発・普及しています。

高温に強い品種の例

  • 「にじのきらめき」(農研機構開発):登熟期の高温でも白濁米の発生が少なく、品質が安定。
  • 「あきだわら」(秋田県):耐暑性が高く、高温環境でも良質な米を生産できる。
  • 「つや姫」や「ゆめぴりか」の改良品種(山形・北海道):本来は低温向けだが、耐熱性を向上させた改良版が開発中。

特に、登熟期の気温が30℃を超える地域では、これらの高温耐性品種を導入することで、収量と品質を安定させることが可能です。

2.水管理の徹底(水温上昇の抑制)

稲作における高温障害の大きな要因の一つは水田の水温上昇です。水温が30℃を超えると根の機能が低下し、栄養や水分の吸収が妨げられます。そのため、以下のような水管理が推奨されています。

効果的な水管理方法

  1. 深水管理(しんすいかんり)
    • 水深を通常より深く(7~10cm程度)保つことで、水温の急上昇を防ぐ。
    • 特に登熟期(8~9月)は深水管理を徹底することで、高温障害のリスクを軽減できる。
  2. かけ流し灌水(かんすい)
    • 水を溜めるだけでなく、新しい水を常に流し込むことで、水温を低く保つ。
    • ただし、地域の水資源に余裕がある場合に限られるため、水利用の計画が重要。
  3. 冷却用地下水の利用
    • 地下水を利用することで、水田の温度を適正に保つことが可能。
    • 一部の地域では、地下水を活用した冷却システムの導入が進んでいる。

これらの水管理方法を組み合わせることで、高温障害の発生を抑え、安定した収穫を目指すことができます。

3.寒冷紗などの遮熱・遮光資材の活用

直射日光が強い日が続くと、稲の葉や穂が過度な熱ストレスを受けるため、寒冷紗(かんれいしゃ)や遮光ネットを活用することで効果的に温度を調整できます。

遮熱・遮光資材の活用方法

  • 寒冷紗(遮光率30~40%)
    • 穂が出る時期に田んぼの上部に寒冷紗を設置することで、直射日光を軽減。
    • 特に西日が強い午後の時間帯の温度上昇を抑える効果がある。
  • 反射シートの設置
    • 水田の畦(あぜ)や周囲にアルミ反射シートを設置することで、地表温度の上昇を防ぐ。
    • これにより、夜間の地温の低下を促し、稲の回復を助ける。

4.環境ストレスを軽減する肥料の使用

高温環境では、稲の栄養バランスが崩れやすく、ストレスが増大します。特に、カリウムやケイ酸を多く含む肥料を適切に使用することで、高温によるダメージを抑えることができます。

高温障害対策に効果的な肥料

  • カリウム(K):根の成長を促進し、光合成を活発化。
  • ケイ酸(Si):稲の細胞壁を強化し、高温ストレスに耐えやすくする。
  • 葉面散布用アミノ酸:ストレス耐性を向上させる効果が期待される。

特に登熟期にカリウムを適量施肥することで、米のデンプン形成を助け、高温障害による未熟粒の発生を抑えることができます。

5.ハウス栽培での冷房装置の導入

一部の農家では、ハウス栽培を導入し、環境制御技術を活用することで、温度管理を徹底しています。

ハウス栽培による高温対策

  • 自動換気システムの活用
    • 温度が上昇すると自動で換気が行われるシステムを導入し、温度の急上昇を防ぐ。
  • ミスト冷却装置
    • ハウス内に微細な霧を散布し、気化熱によって温度を下げる。
  • 冷房装置の導入
    • 大規模農家では、ハウス内に冷房設備を導入し、安定した登熟環境を維持する例も増えている。

実際の成功事例では、ハウス内で温度管理を徹底することで、高温障害をほぼゼロに抑え、安定した収穫量を確保することができたケースもあります。

高温障害の対策事例とケーススタディ

1.新潟県:地下水を活用した冷却灌水の導入

概要

新潟県は、日本有数のコメの産地ですが、近年の気候変動により夏季の高温が続き、登熟期の水温上昇が問題となっていました。そのため、一部の農家では地下水を利用した冷却灌水を導入し、高温障害を防ぐ取り組みを実施しました。

対策

  • 地下水をくみ上げて水田に流し込み、水温を最大4℃低下。
  • 登熟期(8月〜9月)の昼間に水温が30℃以上にならないよう管理。
  • かけ流し灌水を併用し、新鮮な水を供給。

成果

  • 白濁米の発生率が40%削減。
  • 1等米の割合が前年より15%向上。
  • 収量の安定化により、農家の収益が増加。

2.秋田県:高温耐性品種「あきだわら」の導入

概要

秋田県では、近年の気温上昇による米の品質低下を防ぐため、高温耐性品種「あきだわら」を導入。従来の「あきたこまち」と比較して、高温障害に強いことが特徴です。

対策

  • 高温耐性品種「あきだわら」を採用し、品質低下を防止。
  • 田植え時期を調整し、高温の影響を受けにくいスケジュールで栽培。
  • 収穫前の深水管理を徹底し、水温の上昇を抑制。

成果

  • 未熟粒の発生率が30%減少。
  • 収穫量が例年より10%増加。
  • 高温障害が発生した年でも、品質低下を最小限に抑えることに成功。

3.福岡県:遮光ネットを活用した水田管理

概要

福岡県のある農家では、夏場の直射日光による水田の高温化を防ぐため、遮光ネットを活用した対策を実施しました。

対策

  • 水田の上に遮光ネット(遮光率30%)を設置し、直射日光を軽減。
  • 特に西日が強い午後の時間帯の水田温度を抑制。
  • かけ流し灌水と併用し、効果を最大化。

成果

  • 水田の温度が平均3〜5℃低下。
  • 白濁米の発生率が20%減少。
  • 食味スコア(米の粘り・甘み)が向上し、市場価値が上昇。

4.山形県:田植え時期の調整と深水管理の徹底

概要

山形県では、登熟期の高温による品質低下を防ぐため、田植え時期を調整し、深水管理を徹底する取り組みを進めています。

対策

  • 田植えの時期を従来より2週間早め、高温の影響を受けにくいスケジュールに調整。
  • 登熟期に深水管理を実施し、水温の安定化を図る。
  • 肥料の適正管理を行い、稲の耐暑性を向上。

成果

  • 1等米の比率が前年比12%向上。
  • 登熟不良による収量減少を15%抑制。
  • 高温障害による食味低下を最小限に抑えることに成功。

5.滋賀県:ハイブリッド品種の導入と水管理の最適化

概要

滋賀県では、米の品質低下を防ぐため、高温耐性を持つハイブリッド品種を導入し、水管理を最適化しました。

対策

  • 「にじのきらめき」「コシヒカリBL」などの高温耐性品種を採用。
  • 田植え後のかけ流し灌水を実施し、水田の温度を一定に保つ。
  • ケイ酸肥料を適用し、稲の細胞壁を強化。

成果

  • 高温障害による白濁米が30%減少。
  • 収穫量が前年より12%向上。
  • 市場価格が安定し、農家の収益が増加。

高温障害を理解し、確実な対策を講じることの重要性

近年、地球温暖化の影響で夏季の気温上昇が顕著になり、農作物に深刻なダメージを与えています。

特に稲作においては、登熟期の高温が米の品質低下や収穫量の減少を引き起こし、農家の経営を圧迫する要因となっています。高温障害は今後ますます深刻化することが予測されており、適切な対策を講じることが、生産者の持続的な営農を支える鍵となります。

しかし、適切な対策を実施することで、こうした被害を最小限に抑え、収穫量や品質の維持が可能になります。

例えば、高温耐性品種の導入は、既存の品種と比べて環境ストレスに強く、高温障害のリスクを大幅に低減します。また、遮光ネットの活用は水田の水温上昇を防ぎ、稲が受ける熱ストレスを軽減する効果が期待できます。

さらに、深水管理や適切な肥料の施用により、稲の根の活性を維持し、高温環境下でも健全な成長を促すことができます。

これらの対策は、一部の農家で既に成功事例として報告されており、比較的低コストかつ効果的な方法として実践しやすいという利点があります。

高温障害を「避けられない問題」として受け入れるのではなく、適切な知識と対策を身につけることで、安定した米の生産を確保することが可能なのです。

今後の農業への影響と対応策

気候変動の影響は稲作に限らず、果菜類、葉菜類、根菜類といったあらゆる農作物にも広範な影響を及ぼします

高温障害は作物ごとに異なる形で発生し、例えばトマトでは「裂果」や「着色不良」、ホウレンソウでは「トウ立ち」、ジャガイモでは「二次成長」などが問題となっています。

そのため、各作物に適した対策を講じると同時に、地域全体で情報を共有し、統一した対策を講じることが求められます

また、農業技術の進化と新しい品種の開発も、今後の農業を守るための重要な要素です。例えば、AIを活用した温度管理システムは、ハウス栽培などでの環境制御を最適化し、高温によるダメージを抑えるのに役立ちます。

また、自動化された灌水システムを導入することで、水資源を効率的に活用しながら、高温障害を軽減することが可能になります。

今後、農業は「自然に左右される産業」から、「科学的なアプローチで環境に適応する産業」へとシフトしていく必要があります。そのためには、既存の知識に基づいた基本的な対策と、最新の技術を組み合わせた革新的な対策の両輪で取り組むことが不可欠です。

私たちが今、適切な対策を実施しなければ、今後の農業生産はさらに厳しい状況に直面することになるでしょう。

しかし、現実的な解決策を講じることで、高温障害のリスクを軽減し、持続可能な農業を実現することが可能です。高温障害は避けることのできない課題ですが、適切な知識と技術を駆使することで、乗り越える道は確実に存在します。

まとめ:高温障害に負けない米作りを実現するために

高温障害は、地球温暖化の進行に伴い今後さらに深刻化すると予測されています。しかし、適切な対策を講じることで、収量や品質の低下を最小限に抑えることが可能です。

今日からできる具体的な対策として、以下のアクションを実践していきましょう。

  • 高温耐性品種を選ぶ
    →「にじのきらめき」「あきだわら」などの高温に強い品種を導入する。
  • 水管理を徹底する
    →深水管理やかけ流し灌水を活用し、水温の上昇を防ぐ。
  • 遮光ネットや寒冷紗を活用する
    →直射日光を軽減し、水田や稲の温度上昇を抑える。
  • ストレス軽減型の肥料を適切に施用する
    →カリウムやケイ酸を含む肥料を使用し、稲の耐暑性を高める。
  • 最新技術を活用する
    →AIによる温度管理システムや自動灌水装置の導入を検討する。

高温障害への対応は、農家一人ひとりの努力だけでなく、地域全体での情報共有や技術革新の活用が不可欠です。今すぐできることから始め、未来の農業を守るための一歩を踏み出しましょう。

持続可能な米作りを実現するために、ぜひ本記事で紹介した対策を実践し、高温障害に負けない強い稲作を目指してください!

監修者

人見 翔太 Hitomi Shota

滋賀大学教育学部環境教育課程で、環境に配慮した栽培学等を学んだ後、東京消防庁へ入庁。その後、株式会社リクルートライフスタイルで広告営業、園田商事株式会社で肥料、米穀の販売に従事。これまで1,000回以上の肥料設計の経験を活かし、滋賀県の「しがの農業経営支援アドバイザー」として各地での講師活動を行う。現在は株式会社リンクにて営農事業を統括している。生産現場に密着した、時代にあった実践的なノウハウを提供致します。