
「酸素供給材っていつ使えばいいの?」「季節ごとに使い方は変わるの?」——酸素供給材の導入を検討している農家さんから、よくこうした質問をいただきます。
実は、土壌の酸素環境は季節によって大きく変動します。春の長雨、梅雨期の過湿、夏の高温、秋の台風、冬の低温——それぞれの時期に特有のリスクがあり、適切なタイミングで酸素爆誕を施用することが収量・品質の安定につながります。
本記事では、酸素爆誕の使用を前提に、1年を通した施用戦略を月別・季節別に具体的に解説します。「今月は何をすべきか」がひと目で分かる実践的なカレンダー形式で、あなたの圃場管理をサポートします。
【前提】この記事で使用する酸素供給材「酸素爆誕」について
酸素爆誕とは?
この記事は、2液混合型液剤「酸素爆誕」の使用を前提としています。
酸素爆誕は、土壌内で持続的に酸素を発生させる革新的な酸素供給材です。従来の酸素供給方法とは一線を画す独自の仕組みにより、即効性と持続性を両立しています。
酸素爆誕の基本構成
- 酸素爆誕1(起爆剤):金属塩を含む液剤
- 酸素爆誕2(酸素剤):過硫酸ナトリウムなどの酸化剤を含む液剤
- この2液を混合することで、土壌内で化学反応を起こし、酸素を発生
酸素爆誕の3つの特徴
特徴1:即効性と持続性の両立
従来の酸素供給材は、即効性を重視すると数時間で効果が消え、持続性を求めると効果が現れるまで時間がかかるという二律背反の関係にありました。
酸素爆誕は2液混合という独自技術により、この課題を克服:
- 施用後5〜10分で酸素発生開始(即効性)
- 7〜10日間にわたって酸素供給が継続(持続性)
特徴2:既存設備で施用可能な利便性
酸素爆誕は液剤タイプのため、既存の灌水設備をそのまま活用できます:
- 点滴チューブ
- スプリンクラー
- 動力噴霧器
- 養液栽培システム(1と2を別タンクで管理)
追加の機械投資は不要で、初めて酸素供給材を使う農家さんでも気軽に導入できます。
特徴3:豊富な実証データに裏付けられた効果
全国各地の農家さんとの実証試験により、確かな効果が検証されています:
| 作物 | 効果 | 試験地 |
| サツマイモ | 塊根個数1.5倍、重量2倍 | 愛知県 |
| 一本ネギ | 根重量2倍、根長+8cm | 埼玉県 |
| キュウリ | 収量約2倍 | 宮崎県 |
| 育苗全般 | 処理2日後に根量増加 | 群馬県・宮崎県 |
| ナス(湿害対策) | 冠水後も被害なし | 熊本県 |
| ブロッコリー(湿害対策) | 立ち枯れ症状が停止 | 長崎県 |
なぜ酸素爆誕を選ぶのか?
他の酸素供給材(粒剤タイプのオキソパワー5、ネオカルオキソ、液剤タイプのMOX・BOXなど)と比較した優位性:
1. 生育状況に応じた柔軟な対応が可能
- 粒剤(オキソパワー5など):元肥として施用後、追加調整が困難
- 従来の液剤(MOX・BOXなど):即効性はあるが1〜2日で効果消失
- 酸素爆誕:週1回の施用で作物の状態を見ながら柔軟に調整可能
2. 緊急時と予防の両方に対応
- 豪雨・台風後の緊急対応:施用後5〜10分で酸素発生
- 梅雨期の予防的施用:7〜10日間の持続効果で酸素環境を安定化
3. コストパフォーマンスに優れる
- 収量が3〜5%向上するだけで投資回収が可能
- 実証データでは塊根重量2倍、収量2倍などの大幅な増収事例も
酸素爆誕の基本的な使い方(概要)
詳細は各季節のセクションで解説しますが、基本的な使用方法は以下の通りです:
希釈倍率
- 標準:500〜1000倍
- 緊急時(豪雨後など):500倍
- 予防的施用・育苗:1000倍
施用頻度
- 基本:7〜10日間隔
- 酸素欠乏が深刻な時期(梅雨期、高温期):5〜7日間隔
- 低温期(冬季):10〜14日間隔
施用量
- 標準:20aあたり1セット(酸素爆誕1と2を各1L)
- これを500L以上の水で希釈して施用
- 10aあたりの水量:最低500L以上を確保
使い方の手順
- 十分な量の水を用意
- 酸素爆誕1と2を同時に添加して素早く攪拌
- 混合後5〜10分以内に酸素発生反応が始まる
- 調製後は速やかに施用
それでは、季節ごとの具体的な施用戦略を見ていきましょう。
【基礎知識】なぜ季節によって酸素需要が変わるのか
気温と土壌酸素濃度の関係
土壌中の酸素濃度は、気温の変化に大きく影響されます。
高温期(7〜9月)のリスク
- 地温上昇により根の呼吸が活発化
- 酸素消費量が通常の1.5〜2倍に増加
- 土壌微生物の活動も活発化し、さらに酸素を消費
- ハウス栽培では地温が40℃超えることも
低温期(12〜2月)のリスク
- 根の活性が低下し、酸素吸収能力が減少
- 少量の酸素でも効率的に活用する必要がある
- 施設栽培では暖房による地温上昇で酸素需要が変動
降水量と土壌酸素の関係
雨による土壌水分の変化は、酸素環境に直接影響します。
梅雨期(6〜7月)のリスク
- 土壌の隙間が水で満たされる
- 空気中の酸素拡散速度の1万分の1に低下
- 連続降雨で回復する間がない
台風期(8〜10月)のリスク
- 短時間の豪雨による冠水被害
- 排水後も土壌の締固めで通気性悪化
- 根の損傷と酸欠の複合被害
作物の生育ステージと酸素需要
作物は生育ステージによって酸素の必要量が変わります。
育苗期(2〜4月)
- 根の急速な発達期
- 健全な根系形成が定植後の生育を左右
- 少量の酸欠でも影響大
栄養成長期(4〜7月)
- 根の伸長と分岐が活発
- 養分吸収量の増加に伴い酸素需要も増加
生殖成長期(7〜10月)
- 果実肥大や塊根形成に大量のエネルギー必要
- 酸素不足は直接収量に影響
【春】3〜5月の酸素供給戦略

3月:育苗期の根張り促進が最重要
この時期の特徴とリスク
3月は多くの作物で育苗が本格化する時期です。春の長雨や気温の変動により、育苗ハウス内の湿度が高まりやすく、育苗土の酸欠リスクが高まります。
セル苗やポット苗は土量が限られているため、わずかな過湿でも酸素不足に陥りやすいのが特徴です。
具体的な対策
酸素爆誕の施用タイミング:
- 播種後1〜2週間で1回目の施用(1000倍)
- その後7〜10日間隔で追加施用
- 鉢上げ・定植の3〜5日前に必ず1回施用
群馬県のキャベツ育苗試験では、1000倍と2000倍で7日間隔の処理により、処理2日後から発根量の明らかな違いが確認されました。根毛の発生が多数確認され、定植後の活着率向上につながっています。
推奨作物と施用方法
| 作物 | 施用開始 | 希釈倍率 | 頻度 | 効果 |
| トマト | 本葉2枚 | 1000倍 | 7日 | 根量1.5倍 |
| ナス | 本葉2枚 | 1000倍 | 7日 | 根毛発達 |
| キュウリ | 本葉1枚 | 1000倍 | 7日 | 活着率向上 |
| レタス | 播種後10日 | 1000倍 | 10日 | 根鉢形成 |
| ハクサイ | 播種後10日 | 1000倍 | 7日 | 徒長防止 |
宮崎県のハクサイ育苗試験では、1000倍散布により処理翌日に根量の増加を実感し、育苗土の中央部まで根が張り、移植時も根鉢が崩れない健全な苗に育ちました。
4月:定植期の活着率向上対策
この時期の特徴とリスク
4月は多くの作物で本圃への定植が行われる重要な時期です。
定植時の根の損傷と、新しい土壌環境への適応により、一時的に根の活性が低下します。この時期に酸素供給を行うことで、活着率が大幅に向上します。
具体的な対策
定植前後の酸素供給スケジュール:
- 定植3日前:圃場全体に500〜1000倍施用
- 定植当日:植穴に1000倍を注入
- 定植7日後:株元に500倍を施用
- その後10日間隔で継続
圃場準備のポイント
定植前の土壌酸素環境を整えることが、その後の生育を大きく左右します。
準備作業の手順:
- 深耕(30cm以上)で硬盤層を破壊
- 堆肥施用後、1週間以上の期間を空ける
- 畝立て後、酸素爆誕を全面施用
- 3〜5日後に定植
5月:初期生育の順調な進行確保
この時期の特徴とリスク
5月は気温上昇とともに、作物の生育が加速する時期です。
一方で、晩春の長雨により土壌が過湿になるリスクも高まります。特に、ゴールデンウィーク前後の降雨には注意が必要です。
具体的な対策
長雨が予想される場合の予防的施用:
- 降雨前日に500倍を施用
- 降雨後、水が引いたらすぐに500倍を追加施用
- 晴天が続く場合は10日間隔で継続
作物別の重点管理
果菜類(トマト、ナス、キュウリ):
- 第1花房開花期に500倍施用
- 草勢維持のため10日間隔で継続
- 着果負担による根の衰弱を予防
葉菜類(レタス、ハクサイ、キャベツ):
- 結球開始期に500倍施用
- 7〜10日間隔で継続
- 玉の肥大促進
根菜類(ダイコン、ニンジン、ゴボウ):
- 間引き後すぐに1000倍施用
- 根の肥大期は7日間隔で継続
- 又根・奇形根の予防
【梅雨】6月の酸素供給戦略

梅雨入り前の予防的施用が最重要
この時期の特徴とリスク
6月の梅雨期は、1年で最も土壌の酸素不足が深刻化しやすい時期です。
連続降雨により土壌が水で飽和状態になり、酸素の供給が極端に制限されます。この時期の対策が、収量と品質を左右する最重要ポイントです。
梅雨入り前の準備(5月下旬〜6月上旬)
予防的施用スケジュール:
- 梅雨入り予報の1週間前に500倍施用
- その後5〜7日間隔で継続施用
- 降雨の合間を見て追加施用
排水対策との併用:
- 明渠の点検と掘り直し
- 高畝の場合は畝肩の点検
- 圃場周囲の排水路確認
梅雨期間中の継続管理
雨が上がったタイミングでの施用が重要:
- 降雨後、水が引いて半日以内に施用
- 500倍を土壌が乾きすぎない状態で施用
- 次の降雨までに最低1回は施用
長崎県のブロッコリー栽培事例では、9月の連続降雨(10日163mm、14日22.5mm、18日27.0mm)後に立ち枯れ症状が発生しましたが、24日に酸素爆誕1000倍施用により症状が止まり、10月3日には健全な生育を取り戻しました。
圃場タイプ別の対策強化
水田転換畑:
- 施用頻度を5日間隔に短縮
- 1回あたりの水量を増やす(10aあたり700L以上)
- 暗渠排水の点検
粘土質土壌:
- 施用濃度を500倍に統一
- 降雨後の締固め防止のため中耕を併用
- 有機物投入量を見直し
作物別の梅雨期重点対策
果菜類(トマト、ナス、キュウリ、ピーマン)
この時期の果菜類は、着果負担が増加し、根の衰弱リスクが高まります。
梅雨期の酸素不足が加わると:
- 尻腐れ果の発生増加
- 曲がり果・石ナスの増加
- 草勢低下による収量減少
対策:
- 7日間隔で500倍を継続施用
- なり疲れの兆候が見られたら500倍に増量
- 草勢回復が確認できるまで継続
宮崎県のキュウリ抑制栽培では、10月から11月にかけて3回施用し、収量が約2倍に増加しました。
葉菜類(ホウレンソウ、コマツナ、レタス)
梅雨期の葉菜類は、軟腐病や立枯れ病のリスクが高まります。
酸素不足による症状:
- 葉の黄化
- 玉の肥大不良(レタス、ハクサイ)
- 球内腐敗
対策:
- 10日間隔で1000倍施用
- 過湿が続く場合は7日間隔に短縮
- 収穫直前まで継続
根菜類(ダイコン、ニンジン、ゴボウ)
根菜類は土壌の酸素環境に最も敏感な作物群です。
梅雨期の酸素不足により:
- 根の肥大不良
- 又根・奇形根の多発
- 内部褐変
対策:
- 根の肥大期は7日間隔で500倍施用
- 降雨後は必ず追加施用
- 収穫2週間前まで継続
【夏】7〜8月の酸素供給戦略

7月:梅雨明け後の高温期対策開始
この時期の特徴とリスク
7月は梅雨明けとともに気温が急上昇し、土壌温度も上がります。
高温による酸素需要の増加:
- 根の呼吸が活発化し、酸素消費量が1.5〜2倍に
- 土壌微生物の活動も活発化
- ハウス栽培では地温が35℃を超えることも
高温期の酸素供給強化
施用頻度と濃度の調整:
- 標準的な施用間隔を10日から7日に短縮
- 希釈倍率は500倍を基本に
- 特に暑い日(気温35℃超)の前後は重点的に
埼玉県の一本ネギ高温期試験(7〜9月)では、7〜10日間隔で8回施用し、根重量が無処理区の5gに対して処理区では10gと2倍に、根長も34cmから42cmへ8cm長くなりました。
マルチ栽培での注意点
黒マルチ使用圃場では地温がさらに上昇:
- 地温が40℃を超えることも
- 酸素需要が極端に高まる
- 施用頻度を5〜7日間隔に短縮
愛知県のサツマイモ栽培試験では、6〜9月の高温期(9月は40℃記録)に黒マルチ使用下で7〜10日間隔5回施用し、塊根個数1.5倍、塊根重量2倍を達成しました。
8月:最も過酷な高温期の根活性維持
この時期の特徴とリスク
8月は1年で最も地温が高くなる時期で、根の活性維持が最大の課題です。
高温ストレスによる影響:
- 根の老化が加速
- 新根の発生が停滞
- 養分吸収能力の低下
- 台風による豪雨リスク
8月の重点対策
定期施用の徹底:
- 7日間隔で500倍を継続
- 灌水と同時施用で効率化
- 早朝または夕方の涼しい時間帯に施用
ハウス栽培の特別対策:
- 施用頻度を5日間隔に
- 換気との組み合わせで地温管理
- 遮光資材の活用も検討
台風対策の準備
8月後半から台風シーズンが始まります。
台風接近前の準備:
- 台風接近2〜3日前に500倍施用
- 排水路の点検と整備
- 緊急用の酸素爆誕を確保
台風通過後の緊急対応:
- 水が引いたら即座に500倍施用
- 冠水被害があった場合は2〜3日後に追加施用
- 根の回復を確認するまで5日間隔で継続
岡山県のジャガイモ栽培では、6月の豪雨により株元付近まで冠水しましたが、冠水2日後に30aあたり1セット施用し、冠水8日後には病害や塊茎の腐敗症状が見られず、健全な収穫ができました。
夏期の作物別管理ポイント
果菜類の収穫期管理
トマト・ナスの長期栽培:
- なり疲れ防止のため週1回施用
- 草勢低下の兆候が見えたら500倍に増量
- 韓国のミニトマト事例では18段収穫、収量1.5倍を実現
キュウリ・ズッキーニ:
- 収穫最盛期は5〜7日間隔
- 曲がり果が増えたら酸素不足のサイン
- 速やかに500倍施用
葉菜類の夏まき対策
ホウレンソウ・コマツナ:
- 播種後すぐに1000倍施用
- 発芽後7日間隔で継続
- 高温による発芽不良を防止
レタス・キャベツ:
- 育苗期は10日間隔で1000倍
- 定植後は7日間隔で500倍
- 結球不良の予防
【秋】9〜11月の酸素供給戦略
9月:秋雨前線と台風の集中対策期
この時期の特徴とリスク
9月は秋雨前線の停滞と台風の襲来が重なり、1年で2番目に土壌の過湿リスクが高い時期です。
特に注意すべき気象パターン:
- 秋雨前線による長雨(1週間以上)
- 台風による短時間豪雨(100mm/日超)
- 両者の複合による連続降雨
秋雨期の予防的管理
9月上旬(秋雨前線接近前):
- 500倍を10日間隔で施用開始
- 排水路の最終点検
- 圃場の低地部分を重点チェック
9月中旬〜下旬(秋雨期間中):
- 降雨の合間を見て7日間隔で施用
- 連続降雨後は必ず緊急施用
- 長崎県事例では連続降雨後の施用で立ち枯れ症状が停止
台風直撃時の緊急対応マニュアル
台風接近48時間前:
- 500倍を全面施用
- 排水路の最終確認
- 緊急用資材の確保
台風通過直後(水が引いてから):
- 0〜6時間以内:被害状況の確認
- 6〜24時間以内:500倍を緊急施用
- 2〜3日後:追加施用で根の回復促進
熊本県のナス栽培では、9月11日の豪雨によりハウス内の一部が冠水しましたが、酸素爆誕施用区は被害なく生育が継続し、10月16日時点で樹勢良好、ボケ果少、しおれ少の状態を維持しました。
10月:収穫期と秋冬作準備の両立
この時期の特徴とリスク
10月は夏秋作物の収穫最盛期と、秋冬作物の定植・播種が重なる忙しい時期です。
気温低下による変化:
- 根の活性が徐々に低下
- 酸素需要は減少するが、効率的な利用が必要
- 朝晩の気温差拡大
収穫期作物の品質維持
果菜類の最終収穫まで:
- 10日間隔で500〜1000倍施用
- 草勢を最後まで維持
- 収穫期間の延長効果
根菜類の肥大仕上げ:
- 収穫2週間前まで7日間隔
- 肥大促進と品質向上
- 内部褐変の予防
秋冬作の好スタート準備
定植・播種前の土づくり:
- 前作残渣のすき込み後、500倍施用
- 有機物の正常分解を促進
- 2週間後に定植・播種
ハクサイ・ダイコンなど:
- 播種後10日で1000倍施用
- 初期生育を順調に
- 7〜10日間隔で継続
11月:越冬準備と施設栽培への移行
この時期の特徴とリスク
11月は気温が本格的に低下し、露地栽培から施設栽培へ重点が移る時期です。
この時期の管理ポイント:
- 露地作物の収穫終了と片付け
- 施設栽培の本格始動
- 土壌の凍結前の準備
露地作物の最終管理
収穫終了までの施用:
- 10〜14日間隔で1000倍
- 気温低下で酸素需要は減少
- ただし効率的な利用のため継続
施設栽培の立ち上げ
ハウス内の酸素管理:
- 暖房開始前に500倍を全面施用
- 定植後は7〜10日間隔
- 換気不足による酸欠に注意
トマト・イチゴなどの越冬栽培:
- 根の活性維持が収量を左右
- 10日間隔で500〜1000倍
- 韓国のイチゴ事例では開花数が顕著に増加

【冬】12〜2月の酸素供給戦略
12月:施設栽培の酸素環境最適化
この時期の特徴とリスク
12月は露地栽培がほぼ終了し、施設栽培が中心となる時期です。
施設特有の酸素リスク:
- 暖房による地温上昇と酸素需要の変動
- 換気不足による酸素供給の制限
- ハウス内湿度の上昇
施設栽培の重点管理
暖房期の酸素供給:
- 10〜14日間隔で500〜1000倍
- 加温時間帯を避けて施用
- 換気との組み合わせで効果向上
養液栽培での活用:
- 酸素爆誕1と2を別タンクで管理
- 培地の酸素環境を最適化
- 根腐れ病の予防
年末の作業として
圃場の総点検:
- 排水設備の冬季メンテナンス
- 次年度計画の立案
- 在庫確認と発注
1月:厳冬期の根活性維持
この時期の特徴とリスク
1月は1年で最も気温が低く、根の活性が最も低下する時期です。
低温期の特徴:
- 根の呼吸が緩慢化
- 少量の酸素で効率的に利用
- 凍結による物理的障害のリスク
施設栽培の継続管理
果菜類(トマト、イチゴ、ナス):
- 14日間隔で500〜1000倍
- 暖房との組み合わせで根温管理
- 韓国のミニトマト事例では茎の太さが最後まで維持
葉菜類(ホウレンソウ、コマツナ):
- 播種後と収穫前の2回施用
- 生育期間が短いため効率的に
露地越冬作物の管理
ソラマメ・エンドウなど:
- 月1回程度の施用で十分
- 凍結が予想される場合は施用を控える
- 春先の生育再開に備える
2月:春作準備と育苗開始
この時期の特徴とリスク
2月は春作の準備が本格化し、早い作物では育苗が始まる重要な時期です。
この時期の作業:
- 育苗ハウスの準備
- 土づくりの開始
- 春作の作付計画確定
育苗準備の開始
育苗土の準備:
- 播種1週間前に育苗土全体に1000倍施用
- 土壌の酸素環境を整備
- 有用微生物の活性化
早期育苗(トマト、ナスなど):
- 播種後10〜14日で1000倍施用
- その後7〜10日間隔
- 群馬県キャベツ事例では処理2日後に根毛発生
圃場の春作準備
堆肥施用後の管理:
- 堆肥すき込み1週間後に500倍施用
- 有機物の正常分解を促進
- 春の定植までに土壌環境を整備
越冬作物の追肥時期:
- 追肥と同時に500〜1000倍施用
- 春先の生育加速に備える
【実践】使用量とタイミング
| 使用タイミング | 希釈倍率 | 使用量の目安 |
|---|---|---|
| 育苗時 | 1000倍 | 0.5ml/箱 |
| 大雨・長雨の直前直後 | 500~1000倍 | 500ml/10a(反) |
| 開花期 | 500~1000倍 | |
| 干ばつ後 | 500~1000倍 |
作物別・栽培期間中の施用プログラム
トマト(長期栽培:120日間)
- 定植前:圃場全体に500倍
- 定植時:植穴に1000倍
- 活着後〜第1花房開花:10日間隔、1000倍
- 開花〜収穫開始:7日間隔、500倍
- 収穫期:7日間隔、500倍(高温期は5日間隔) 合計:18〜22回施用
ダイコン(栽培期間:60日間)
- 播種前:圃場全体に1000倍
- 発芽後:7日で1000倍
- 間引き後:すぐに1000倍
- 肥大期:7日間隔、500倍
- 収穫2週間前まで継続 合計:8〜10回施用
サツマイモ(栽培期間:120日間)
- 挿し木後1週間:500倍
- 活着後〜収穫まで:7〜10日間隔、500倍
- 高温期(7〜9月)は7日間隔
- 愛知県事例:5回施用で塊根重量2倍 合計:12〜17回施用
【応用】天候に応じた臨機応変な対応
長雨警報が出た時の緊急対応
警報発令時(降雨開始前)
- 即座に500倍を全面施用
- 排水路の最終点検
- 圃場の低地部分を重点チェック
降雨中の対応
- 雨の合間があれば追加施用
- 排水状況の継続監視
- 溜まり水の速やかな排除
降雨終了後(0〜24時間以内)
- 水が引いたら即座に500倍施用
- 土壌の締固めを確認
- 中耕が可能なら実施
降雨終了後(2〜3日後)
- 追加で500倍施用
- 根の回復状況を観察
- 必要に応じて5日間隔で継続
高温注意報が出た時の対応
注意報発令時
- 通常10日間隔を7日間隔に短縮
- 希釈倍率を500倍に統一
- 早朝または夕方に施用
猛暑日(35℃以上)が続く場合
- 5日間隔に短縮
- 灌水量を増やす(10aあたり700L以上)
- ハウスでは換気を徹底
台風接近時の3段階対応
第1段階:接近48時間前
- 500倍を予防的に施用
- 排水路の整備
- 資材の確保
第2段階:通過直後
- 被害状況の確認
- 水が引いたら即座に500倍施用
- 冠水被害があれば2〜3日後に追加
第3段階:通過1週間後
- 根の回復状況を観察
- 必要に応じて5日間隔で継続施用
- 次の天候変化に備える
よくある質問と回答
Q1: 施用のタイミングは朝・昼・夕方のいつがいいですか?
A: 基本的には早朝または夕方がおすすめです。
理由:
- 日中の高温時を避けることで、蒸発による損失を最小化
- 根の活性が高い時間帯(早朝)に施用すると吸収効率が向上
- 夕方施用は翌朝までに土壌に浸透し、効果的
ただし、緊急時(豪雨直後など)は時間を問わず速やかに施用してください。
Q2: 雨が降りそうな日は施用を避けるべきですか?
A: いいえ、むしろ降雨前の施用が推奨されます。
理由:
- 降雨により土壌が過湿になる前に酸素を供給
- 予防的効果が期待できる
- 降雨後に土壌に浸透しやすくなる
ただし、施用直後(2〜3時間以内)に豪雨が予想される場合は、降雨後に施用したほうが効果的です。
Q3: 冬期も夏期と同じ頻度で施用が必要ですか?
A: いいえ、冬期は施用頻度を減らせます。
理由:
- 低温期は根の呼吸が緩慢化し、酸素需要が減少
- 夏期の7日間隔に対し、冬期は10〜14日間隔で十分
- 施設栽培で加温している場合は、夏期に準じた頻度が必要
Q4: 複数の作物がある場合、どう管理すればいいですか?
A: 作物ごとに施用スケジュールを立てるのが理想ですが、難しい場合は以下の優先順位で:
優先度の高い作物:
- 高温期の果菜類(トマト、ナス、キュウリ)
- 梅雨期の根菜類(ダイコン、ニンジン)
- 育苗中の全作物
施用を共通化できる場合:
- 生育ステージが近い作物をグループ化
- 最も酸素需要が高い作物に合わせる
- 7日間隔を基本とすれば、ほとんどの作物に対応可能
Q5: 効果が感じられない場合、何をチェックすべきですか?
A: 以下の5点を確認してください:
- 水量は十分か:10aあたり500L以上が必要
- 希釈倍率は正しいか:酸素爆誕1と2を各500〜1000倍
- 施用頻度は適切か:7〜10日間隔を守っているか
- 排水対策は十分か:酸素供給だけでは不十分な場合も
- 他の要因はないか:病害や養分不足など
それでも効果が感じられない場合は、専門家(JA営農指導員、普及センター、資材メーカー技術担当)に相談してください。
まとめ:1年を通した酸素供給で収量・品質を安定させる
季節ごとの重点ポイント再確認
春(3〜5月):育苗と定植の成功が1年を決める
- 育苗期の根張り促進(1000倍、7日間隔)
- 定植時の活着率向上(定植前後の集中施用)
- 初期生育の順調な進行確保
梅雨(6月):1年で最も重要な湿害予防期
- 梅雨入り前からの予防的施用(500倍、5〜7日間隔)
- 降雨後の迅速な対応
- 排水対策との併用
夏(7〜8月):高温ストレスから根を守る
- 施用頻度の短縮(5〜7日間隔)
- マルチ栽培での特別対策
- 台風への備え
秋(9〜11月):収穫期の品質維持と秋冬作準備
- 台風・秋雨への迅速な対応
- 収穫期の草勢維持
- 秋冬作の好スタート
冬(12〜2月):施設栽培の最適化と春作準備
- 施設内の酸素環境管理(10〜14日間隔)
- 育苗準備の開始
- 次年度計画の立案
成功のための3つの鉄則
鉄則1: 予防的施用を基本とする
- 症状が出てからでは遅い
- 天候予報を活用した先手の対応
- 定期施用で土壌酸素濃度を高位安定
鉄則2: 天候に応じて柔軟に調整
- 長雨・台風時は施用頻度を短縮
- 高温期は希釈倍率と水量を調整
- 冬期は頻度を減らして効率化
鉄則3: 他の対策と組み合わせる
- 排水対策は必須
- 適切な施肥管理
- 土壌物理性の改善(深耕、有機物投入)
今日から始める酸素供給管理
ステップ1: 現在の状況を確認する
- 今月は何月か、どんな天候が予想されるか
- 圃場の酸素リスクはどの程度か
- 作物の生育ステージは?
ステップ2: 今月の施用計画を立てる
- 上記カレンダーを参考に施用頻度を決定
- 天候予報をチェックして調整
- 必要な資材量を計算
ステップ3: 実行と記録
- 計画通りに施用を実施
- 施用日、希釈倍率、天候を記録
- 作物の反応を観察
ステップ4: 効果を確認して調整
- 1ヶ月後に生育状況を評価
- 必要に応じて施用計画を修正
- 次月の計画に反映
困ったときの相談先
酸素供給管理で疑問や問題が生じたら、以下に相談してください:
公的機関
- 農業改良普及センター
- JA営農指導員
- 農業試験場
民間サポート
- 酸素爆誕の販売元(アグリスイッチ)
- 資材メーカーの技術担当
- 取引先の農業資材店
特に、酸素爆誕の使用方法や圃場に合わせた施用プログラムについては、アグリスイッチまでお気軽にお問い合わせください。実証データをもとに、あなたの圃場に最適な提案をいたします。
1年を通した計画的な酸素供給で、安定した収量と品質を実現し、持続可能な農業経営を築いていきましょう。
監修者
人見 翔太 Hitomi Shota

滋賀大学教育学部環境教育課程で、環境に配慮した栽培学等を学んだ後、東京消防庁へ入庁。その後、株式会社リクルートライフスタイルで広告営業、肥料販売小売店で肥料、米穀の販売に従事。これまで1,000回以上の肥料設計の経験を活かし、滋賀県の「しがの農業経営支援アドバイザー」として各地での講師活動を行う。現在は株式会社リンクにて営農事業を統括している。生産現場に密着した、時代にあった実践的なノウハウを提供致します。






